当店の経糸は(絽は緯糸も)未精錬のものを使用しておりますので、絹糸の品質がそのまま商品に反映されます。
そのため、先代のころからずっと、安定した品質と美しい白さを持ったBRATAC社さんの絹糸を使っております。
その時々で、入手可能な糸のランクは6Aのものであったり、5Aのものであったりするのですが、とにかく、仕入れ時に入手可能な最高ランクのものを使っております。
ただ、5Aランクのものの場合、6Aに比べて”不純物”が見られます。
濃い色に染色する場合には特に問題はないのですが、白地や淡い地色の織物の場合は、この”不純物”が目障りな存在になってしまいます。
そのため、5Aランクの糸が入荷した場合は、ひたすら手作業で、不純物を除去します。
ひたすらひたすら目を皿のようにして極細糸を凝視し、手作業で除去です。
だんだんと自分が何屋さんなのかわからなくなってきますが、それでも尚、ただひたすらに除去作業を進めた先には、白地の美しい織物と化してその姿を現してくれます。
怯むことなく、今日もひたすら目を皿にしています。